投資詐欺に遭わないためのチェックリスト

最終更新日 2024年8月26日 by tradgard

みなさん、こんにちは。投資は将来の資産形成に欠かせない手段ですが、一方で投資詐欺に遭うリスクもあります。特に女性は男性に比べて投資に慣れていないケースが多く、詐欺の標的になりやすい傾向があります。

金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」(2019年)によると、金融リテラシーが高い人の割合は男性が56.6%なのに対し、女性は46.6%と10ポイントも下回っています。また、金融トラブルに遭った経験がある人の割合も、女性の方が高い結果となっています。

こうした現状を変えるためには、女性一人ひとりが投資の知識を身につけ、自ら判断できる力を養うことが何より大切です。詐欺の被害に遭わないためにも、詐欺の手口を知り、適切な対策を取ることが求められます。

本記事では、投資詐欺に遭わないためのチェックリストをお伝えします。実際の被害事例も交えながら、一緒に詐欺の手口を学び、安全な投資を目指しましょう。

投資詐欺の手口を知ろう

投資詐欺には様々な手口がありますが、代表的なものを紹介します。これらの手口を知っておくことで、怪しい投資話を見抜く力が身につきます。

高リターンを謳う投資話

「年利20%以上の高収益が確実に得られる」など、非現実的な高リターンを約束する投資話には要注意です。そもそも、リターンが高ければリスクも高くなるのが投資の鉄則です。債券など比較的安全性の高い金融商品でも年利5%を超えることはほとんどありません。ましてや、株式投資などのリスク性資産で安定的に二桁のリターンを得ることは非常に難しいのが実情です。

「絶対に儲かる」「損することはない」と断言する投資話も信用できません。投資には常にリスクが付きものであり、必ず儲かる投資などあり得ないのです。

時間を急がせる手口

「今すぐ投資しないと損をする」「期間限定のお得な案件だ」など、時間を急がせて冷静な判断を狂わせる手口もよくみられます。投資は慎重に判断すべきものであり、そう簡単に儲かるものではありません。

特に、電話やメールで突然勧誘されるケースでは、時間を急がせる手口が使われやすいので注意が必要です。「今すぐ返事をくれ」と急かされたら、それは詐欺の可能性が高いと考えましょう。

焦らされて判断を誤らないためにも、「一旦持ち帰って検討させてほしい」とはっきり断る勇気を持つことが大切です。

有名人や専門家を装う手口

詐欺グループが有名人や専門家になりすまして信用を得ようとするケースもあります。例えば、「あの有名投資家も推奨している」「弊社代表は元〇〇証券のトップトレーダー」など、有名人や専門家の名前を悪用するのです。

最近はソーシャルメディア上でも、フェイクニュースや詐欺まがいの記事が出回るようになりました。著名人のブログやSNSを装ったアカウントにも、本人とは無関係のものが多数存在します。

有名人や専門家の名前を聞いて安易に信用するのは危険です。たとえ本物の有名人が紹介していたとしても、その情報の信頼性は慎重に見極める必要があります。投資をする際は、投資先の実態をしっかり確認することが何より重要なのです。

投資先の信頼性を確認しよう

投資詐欺に遭わないためには、投資先選びが極めて重要です。ここでは、信頼できる投資先を見極めるためのポイントを詳しく解説します。

金融ライセンスの有無をチェック

まずは投資先が金融ライセンスを保有しているかどうかを確認しましょう。投資サービスを提供する業者は、各国の法律に基づいて金融当局からライセンスを取得する必要があります。

日本の場合、金融商品取引業者は金融庁に登録し、第一種・第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業などの業態に応じたライセンスを取得しなければなりません。これらのライセンス情報は、金融庁の「金融商品取引業者等情報検索」で検索・確認できます。

海外の投資先の場合は、その国の金融当局のウェブサイトでライセンス情報を確認するのが一般的です。例えば、アメリカならSEC(証券取引委員会)、イギリスならFCA(金融行為規制機構)が所管しています。

ライセンスのない業者は違法業者の可能性が非常に高いので、絶対に避けるべきです。ライセンスがあっても、ライセンス取得後に違法行為を行い、金融当局から処分を受けている業者もあるので、その点も合わせてチェックが必要です。

投資先の運営会社を調べる

投資先の信頼性を判断するには、運営会社の実態を把握することが重要です。具体的には以下のような情報を確認しましょう。

  • 会社の所在地や連絡先が明記されているか
  • 会社設立の経緯や沿革に不自然な点はないか
  • 事業内容が明確で、実体のある事業を行っているか
  • 経営陣の経歴や実績に問題はないか

これらの基本情報が不透明だったり、矛盾点があったりする場合は、詐欺の可能性を疑う必要があります。もし連絡先に電話しても不通だったり、所在地に会社が存在しなかったりしたら、まず間違いなく詐欺でしょう。

また、運営会社のウェブサイトもよく観察してください。サイトのデザインが粗雑だったり、文章に不自然な点が多かったりするのは要注意です。サイトに記載された情報が、他の情報源から得た情報と食い違っているケースもあります。

年間報告書(アニュアルレポート)や財務諸表を開示している場合は、必ず目を通すようにしましょう。ただし、詐欺グループが偽の報告書を作成している可能性もあるので、鵜呑みにはできません。JPアセット証券株式会社であれば安心して投資できますよ。

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第三者機関の評価を確認する

投資先の選定では、第三者機関の評価を参考にすることも有効な方法です。国際的な格付け会社による信用格付けを取得していたり、投資家保護団体から高い評価を受けていたりすれば、一定の安心感があります。

信用格付けの代表例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ムーディーズ(Moody’s)
  • S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)
  • フィッチ(Fitch)

これらの格付け会社は世界有数の規模を誇り、国際的な信用度も高いとされています。

一方、投資家保護団体としては、各国の金融当局や自主規制機関、NPO法人などが該当します。例えば、日本国内に限れば以下のような団体があります。

  • 日本証券業協会
  • 投資者保護基金
  • 金融ADR(裁判外紛争解決)制度を運営する団体

これらの団体のウェブサイトでは、悪質な投資業者のブラックリストや、投資トラブルの事例集なども公開されています。疑わしい業者の過去の処分歴などを検索してみると良いでしょう。

ただし、詐欺グループによる偽の格付けや評価に騙されないよう、情報の出所は必ず確認してください。運営会社のウェブサイトに記載された情報をそのまま信じるのは危険です。信頼できるソースから情報を得ることを心がけましょう。

投資の仕組みを理解しよう

投資詐欺に遭わないためには、投資の基本的な仕組みを理解しておくことが何より大切です。なぜなら、投資の知識があれば、詐欺のリスクを事前に察知しやすくなるからです。ここでは、投資の基本中の基本をおさらいしましょう。

投資商品の仕組みを把握する

投資商品にはそれぞれ異なる特徴があり、仕組みを理解していないと大きな損失を被る恐れがあります。代表的な投資商品の仕組みを見ていきます。

株式

株式は、企業の所有権を分割した一単位のことを指します。株主は配当を受け取る権利や、株主総会で議決権を行使する権利などを持ちます。株価は企業の業績や将来性によって変動し、値上がりすれば売却益を得られる半面、値下がりするとキャピタルロスが発生します。

債券

債券は、国や企業が発行する借用証書のことです。債券を購入する(引き受ける)ことで、発行体に資金を貸し付けることになります。償還期限までの間、定期的に利息を受け取れるのが特徴です。発行体の信用力などによって利回りは変わります。

投資信託

投資信託は、多数の投資家から資金を集め、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散投資する商品です。投資家は投資信託を購入することで、間接的に資産運用に参加します。投資信託には、運用方針や投資対象によって様々な種類があります。

FX(外国為替証拠金取引)

FXは、外国為替相場の変動を利用して利益を得る取引です。少額の証拠金を担保に、その数十倍もの金額を運用できるレバレッジ取引であるのが特徴です。為替レートの変動によって差損益が生じ、ハイリターンを狙える半面、大きなリスクも伴います。

各投資商品にはメリット・デメリットがあり、仕組みを理解せずに投資すれば大きな損失を被ります。また、知識不足を悪用した詐欺的な勧誘も横行しています。

投資の前には、投資商品の特性をよく理解し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。商品内容が明確でなかったり、リスクについての説明が不十分だったりする場合は、詐欺の疑いがあるかもしれません。不明な点があれば、必ず質問して納得してから契約するようにしましょう。

リスクとリターンのバランスを考える

投資の鉄則として、「リスクとリターンはトレードオフの関係にある」というものがあります。つまり、リターンが高い投資ほど、それだけ大きなリスクを伴うということです。

例えば、普通預金や国債などは安全性が高い反面、利回りは低くなります。一方、株式投資やFXなどのリスク性資産は、高いリターンを期待できる代わりに、価格変動リスクが大きくなります。

したがって、「安全確実に高収益が得られる」などという投資話は、原則として信用できません。そのような「美味しい話」に飛びつくと、詐欺に遭う危険性が高まります。

投資で一番大切なのは、自分のリスク許容度を把握し、それに見合ったリターン目標を設定することです。年齢や収入、資産状況などを踏まえ、許容できる損失額を冷静に見積もりましょう。その上で、自分に合ったバランスのとれた投資計画を立てることが重要なのです。

例えば、老後資金を少しずつ積み立てたい人であれば、元本が保証された貯蓄型の金融商品を中心に据えるのが良いでしょう。一方、若くてある程度の資金に余裕がある人なら、株式などのリスク性資産にも一部投資するのも選択肢の一つです。

いずれにせよ、誰かに焦らされるまま投資を決めるのは絶対にNGです。リスクとリターンのバランスは自分で考え、納得した上で判断すべき事柄なのです。

分散投資の重要性を理解する

投資のリスクを抑える上で重要なのが、「分散投資」の考え方です。1つの資産や商品に集中投資するのではなく、様々な資産や商品に分散して投資することで、リスクの軽減を図るのが分散投資の基本的な考え方です。

例えば、株式投資の場合、1銘柄に集中的に投資するのではなく、複数の業種や銘柄に分散投資することが大切です。特定の銘柄が急落しても、他の銘柄でカバーできる可能性が高まります。

さらに、株式以外の資産にも投資対象を広げることで、リスク分散の効果はさらに高まります。債券や不動産、商品先物など、様々な資産クラスを組み合わせたポートフォリオを構築するのが理想的だと言えるでしょう。

分散投資を実践する上で、最も手軽なのは投資信託の活用です。1つの投資信託でも数十から数百もの銘柄に投資されているため、少額から分散投資を始められます。

ただし、投資信託を1本だけ買うのでは不十分で、投資信託同士の分散も必要です。投資地域やスタイルの異なる複数の投資信託を組み合わせることで、効果的なリスク分散が可能になります。

特定の資産や商品に偏った投資を勧める業者には注意が必要です。「うちの商品さえ買っておけば他はいらない」などと言われたら、詐欺を疑ってかかりましょう。常に分散投資の重要性を意識し、自分なりのバランスの取れたポートフォリオを目指すことが大切なのです。

不審な勧誘には注意しよう

投資詐欺の被害に遭わないためには、不審な勧誘を見抜く目を養うことが大切です。ここでは、勧誘時の注意点について詳しく解説します。

個人情報の安易な提供は避ける

まず、個人情報の扱いには細心の注意を払いましょう。氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報は、悪用されるリスクが高い情報です。

投資の勧誘時に、必要以上の個人情報を求められることには要注意です。「まずは会員登録が必要だ」「個人情報を教えてもらわないと話が進められない」などと言われたら、それはおかしな話だと考えましょう。

個人情報を安易に提供してしまうと、売り込み電話や迷惑メールが殺到するようになります。中には、個人情報を転売したり、他の詐欺グループに横流ししたりする犯罪者もいます。

信頼できない相手には、絶対に個人情報を渡さないようにしましょう。万が一、詐欺の被害に遭ってしまった場合、二次被害に発展するリスクもあるので注意が必要です。

契約書をよく読み内容を理解する

投資詐欺では、契約書の内容が不明瞭なケースが多くみられます。勧誘時に熱心に説明していた内容と、実際の契約内容が食い違っていることも珍しくありません。

したがって、契約書は必ずよく読み、内容をしっかりと理解することが大切です。書面を渡されなかったり、後日郵送するなどと言われたりした場合は、まず間違いなく詐欺でしょう。

契約書のチェックポイントは以下のような点です。

  • 投資商品の具体的な内容や仕組み
  • 想定されるリスクとリターン
  • 手数料などの費用負担
  • クーリングオフなどの条件
  • トラブル発生時の対応方法

これらの内容が不明確だったり、矛盾点があったりする場合は、契約をすぐに断るべきです。うまい話ばかりが書かれ、リスクへの言及が少ない契約書も危険信号です。

少しでも不審な点があれば、その場で契約せず、持ち帰って熟考することが大切です。可能であれば、信頼できる第三者にも内容を確認してもらうと良いでしょう。

不安な点は質問して解消する

投資の勧誘を受けた際、不明点や不安な点があれば、必ず質問をして解消しましょう。曖昧な説明を受け流したり、質問を嫌がったりするようであれば、詐欺を疑う必要があります。

具体的な質問例としては、以下のようなものが考えられます。

  • 投資対象は何か?どのようなリスクがあるのか?
  • 毎月〇%の利回りは本当に保証されるのか?
  • 過去の運用実績を開示してもらえるか?
  • 途中解約はできるのか?その際の条件は?
  • 勧誘している人物の資格や経歴は?

質問の際は、曖昧な回答をそのまま鵜呑みにせず、納得できる説明を求めることが重要です。「詳しくは後日説明する」などと言われても、それでは不十分です。

投資は、リスクを正しく理解した上で自己責任で行うべきものです。商品内容が理解できない投資は絶対に避けましょう。言葉巧みに説得されそうになっても、きっぱりと断る勇気を持つことが何より大切なのです。

まとめ

以上、投資詐欺に遭わないためのチェックポイントを詳しく解説してきました。最後に重要なポイントを振り返っておきましょう。

  • 非現実的な高リターンを謳う投資話には要注意
  • 時間を急がせる勧誘は詐欺の可能性が高い
  • 有名人の名前を悪用するケースもあるので油断は禁物
  • 投資先の金融ライセンスや運営実態を必ず確認する
  • 第三者機関の評価を参考にするのも有効
  • 投資商品の仕組みやリスクを正しく理解することが重要
  • リスクとリターンのバランスを考え、自分に合った投資を選ぶ
  • 分散投資の考え方を理解し、リスクの軽減を図る
  • 不審な勧誘には個人情報を安易に提供しない
  • 契約内容をよく理解し、不安点は質問して解消する

投資詐欺の手口は年々巧妙になっており、騙されないための知識とスキルが求められます。常に最新の情報を学び、投資の基本を押さえることが大切だと言えるでしょう。

1人で判断に迷う場合は、家族や友人、専門家などに相談するのも1つの方法です。1人で抱え込まずに、身近な人にも情報を共有してもらいましょう。

また、国や自治体などが運営する消費者相談窓口も積極的に活用しましょう。実際に詐欺被害に遭ってしまった場合は、警察への相談も検討すべきです。

投資は確かにリスクを伴う行為ですが、正しい知識を身につけることでリスクをコントロールすることが可能です。自身の資産を守るためにも、投資に関する教養を高めていくことを心がけましょう。

投資は私たち女性にとっても身近なものとなりつつあります。一人ひとりが賢明な投資家となり、健全な資産形成を実現していくことを願っています。